お客様を迎える客間の違い

欧米住宅と日本住宅は、同じような広さの家でも間取りがかなり違っています。
本式の日本住宅の場合、間取りとしてよくあるのが、正面玄関から入って最初に対面するのはホールとなている廊下で、そこから台所・キッチンスペースや個人の部屋、床の間などに通じる扉が見えるように配置されています。
ところが欧米住宅の場合にはそもそも靴を脱いで室内に入らないために玄関というスペースがなく、扉を開くとすぐリビングルームという作りがされています。
リビングルームは非常に広く作られており、他のキッチンスペースやダイニングスペース、ブレックファーストエリアといったそのフロア全てを一度に見渡せるようになっていることもよくあります。
そのため欧米住宅は大変に開放感があり、風通しがよいという印象を受けます。
反対に日本住宅においてはお客様が最初に目にするのは閉じた扉と壁なので、閉鎖的な印象を受けてしまいます。

お客様をお招きしたときには、日本住宅の場合はまず床の間に案内をします。
床の間とは「床の間」と呼ばれるちょっと小上がりになって床部分を持つ部屋のことで、床の間の壁部分には普通掛け軸や壺などが飾られています。
床の間のある部屋は純和風住宅では一つしかなく、基本的にお招きしたお客様はそちらのお部屋に案内して、家の中全体を案内するということはほとんどありません。
反対に開放的なつくりの欧米住宅の場合、訪れた人はドアからすぐ見えるリビングに通されます。
リビングルームにはソファとテーブルなどが用意されており、そこでくつろいでもらうというのがおもてなし方法となります。
当然のことながらリビングに通すとフロア全体が見えるので、広い視界の中で会話などをすることになります。

そのため日本的なおもてなし方法を受けた海外の人などは、ゲストルームに閉じ込められたというような印象を受けることもあるようです。
欧米風住宅でも個人の居室まで丸見えにするということはありませんが、開放する共有スペースの広さは日本住宅よりもかなり広範囲となっています。
狭い床の間での接客の場合には、上座と下座というような上下関係を意識した座り方のルールが使われます。
日本でも洋風建築が一般的になってきたため、この上座下座の意識は薄くなってきましたが、それでも入り口や客間から見える範囲については扉で仕切ることを好む住宅の作りになっていることが一般的です。
住宅の作り方にも国民性というものが出ているようですね。