歴史建造物における宗教施設

宗教施設が歴史的建造物として長く残されているということは、
日本も欧米でも全く違いがありません。

日本において文化遺産に登録されている建造物といえば、
広島の厳島神社や京都の清水寺・二条城、京都の東大寺・薬師寺などがありますが、
これらはいずれも神道や仏教の信仰により建築された巨大な建造物です。

近世までの宗教施設は当時の建築技術の粋を集めた
非常に高い技術力と一流の職人によってなされたものがほとんどで、
その荘厳さや技術の高さが評価され今も貴重な建築物として残されています。

この傾向は欧米においても同じですが、違う点があるとすれば
海外においては国教とされていた宗教が
何度かの争いによって変動していった過去があるためです。

しかし、宗教的な争いはあったものの多くの宗教施設は
その価値の高さが評価されていることもあり数多く各地に残されています。

 

まず、多くの日本人にとって理解がしづらいのが、
欧米に存在する教会・聖堂・大聖堂といった建物の違いです。

日本においては寺社の違いは大きさや規模、その源流となる施設によりますが
いずれも「神社」「お寺」という名称でまとめることができます。

しかし欧米で最もメジャーなキリスト教の施設においては、
聖堂とは教会として分類される建物の中でも
カトリックにおけるミサを行う場所のことをさします。

なお「教会」とされる施設はこの聖堂部分のほか
神父が居住する場所やミサ以外の集会の場所として信者が集う施設、
さらには修道院までもを含めた施設となっています。

大聖堂とは、別名カセドラルと言われてますが
聖堂よりも大きな規模のミサを開くことができる施設のことをいいます。

特に何人以上が大聖堂というきまりはないようですが、
「司教座教会」が開かれるための施設が
あるかどうかで判断されることが多いようです。

一方で欧米においては「寺院」(temple)は
非常に広い意味で用いられていることが多く、聖堂や大聖堂をも含み、さらには欧米にある
仏教施設やその他の宗教施設全般もまとめて「寺院」という呼び方をされているようです。

 

なお余談ですが、カトリックにおいては
日曜日に教会に集って行う行事はミサと呼ばれていますが、
プロテスタント教会になると「礼拝」と呼ばれます。

プロテスタントにおける礼拝の場合も同じく日曜日に開かれますが、
カトリックと違って聖書による信仰が強いことから聖書朗読や牧師による説教の時間が
かなり長くなっているという特徴があります。