助六 「歌舞伎十八番」

歌舞伎十八番の助六、古典歌舞伎を代表する演目の一つ

歌舞伎十八番の助六は、江戸の古典歌舞伎を代表する演目で、この演目をみていると粋という言葉がよく伝わってきます。
また当時の江戸文化が色濃く残されている演目なので、今現代に生きる私達にとっても、江戸の世界を知る事の出来る作品ではないかと思います。

歌舞伎の名家、市川宗家成田屋、市川團十郎のお家芸、歌舞伎十八番の十八番であり、この十八番の中でも上演すると常に大入りという人気の演目なのです。

助六のストーリーも難しくありません

江戸に存在した吉原、その花魁であった「揚巻」の愛人である花川戸の助六は侠客です。
助六は武士の髭の意休(ひげのいきゅう)と対立します。
助六は散々悪態をつき意休にケンカを仕掛け、とうとう怒らせて刀を抜かせます。

実はこの助六、曾我五郎の仮の姿であり、源家の重宝である友切丸(ともきりまる)の行方を詮議していたところでした。

助六は当代きっての美男子という風体で、吉原の遊女揚巻も花魁になるくらいの美女、美男美女が当時の吉原という悪所を背景に繰り広げる大衆の祝祭劇といわれています。

助六登場の伴奏音楽「出端の唄」

助六が堂々と花道から出てくるときに伴奏される音楽が出端の唄です。
初演の際また初期の興行については、江戸半太夫と弟子が詩章を語ったといいます。
現在に至るまでにも数多く行われてきたこの興行で詩章を務めているのは、代々続く十寸見河東と弟子、河東節連中と呼ばれる方々です。

河東節というのは十寸河東(ますみかとう)という方が創始したといわれる浄瑠璃の流派です。
現在も当時もこれを行うものは非常に少ない状態です。

助六が上演される場合、かつての蔵前旦那衆がつとめ、現在は十寸見会(ますみかい)という河東節の愛好会に所属する素人さんたちが語り手としてつとめています。
もちろん素人さんとはいえ、別に本職を持っているというだけのことで、その技量は玄人に間違いないといえるすばらしいものです。

またこの河東節は7代目團十郎が成田屋市川團十郎家専売特許扱いとしているので、他家が助六を上演する際には、出端の唄が長唄・常磐津・清元等に代えて行うということが暗黙の了解、決まり事とされています。

この演目も初代市川團十郎が密接にかかわっており、今でも歌舞伎十八番の中で最も人気が高いとされる演目であり、上演回数に関してはその他の演目の追随を許さないほどの回数が演じられています。

こうした演目に関する歴史を理解しておくと、歌舞伎を見る時さらに面白味がまし、古くからこうした日本に脈々と伝えられてきた大切なものと感じることができます。
世界各国から愛される歌舞伎の演目の中で、海外の方からも人気が高い演目です。